お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2018/11/05


 平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例措置は、期間限定ですがこれまでの措置よりも優遇された制度となっています。




 私は創業40年の小さな会社を経営しております。そろそろ後継者(子)に事業を承継したいと考えていたところ、事業承継税制というものがあると知りました。特に平成30年度税制改正で創設された特例措置が気になっています。例えば、私が保有する会社の株式を子供達に贈与する場合の当該特例措置の適用について、教えてください。




 平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例措置は、10年間の期間限定措置として設けられた制度です。従来からの事業承継税制よりも優遇されているため、事業承継対策の1つの手法として考慮すべきですが、将来のリスクも踏まえ慎重な検討が求められます。




 平成30年度税制改正で新しく創設された事業承継税制の特例措置について、贈与のケースを中心にご説明いたします。

1.概要
 事業承継税制とは、中小企業の先代経営者等から後継者へ株式を承継する際の相続税や贈与税の負担を軽減させる制度です。これまでの事業承継税制(以下、一般措置)に加え、平成30年1月1日から平成39年(2027年)12月31日までの10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の最大3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引き上げ(80%から100%)等がされた特例措置(以下、特例措置)が創設されました。





2.贈与の場合の主な要件
 贈与について特例措置の適用を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。主な要件は、次の通りです。

○先代経営者である贈与者の主な要件
  1. 会社の代表権を有していたこと(贈与までに代表権を返上する必要がある)
  2. 贈与の直前において、贈与者及び同族関係者で、総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いて最も多くの議決権数を保有していたこと
○後継者である受贈者の主な要件(贈与時)
  1. 会社の代表権を有していること(代表者はその者以外にいてもよい)
  2. 20歳以上であり、かつ、役員の就任から3年以上経過していること
  3. 後継者と同族関係者で総議決件数の50%超を有し、かつ、同族内で筆頭株主となること
  4. 3名まで適用可能
○事業継続要件
  1. 5年間の事業継続(後継者が引き続き代表者となり、納税猶予対象株式を継続保有すること)
  2. 5年間の雇用確保要件(雇用の8割以上を5年間維持できない場合でも、一定の書類を都道府県に提出すれば継続可)
○認定対象会社の要件
  1. 以下のような会社に該当しないこと
    上場会社
    中小企業に該当しない会社
    風俗営業会社
    資産保有型会社または資産運用型会社(一定の要件を満たすものを除く)
    直近の事業年度における総収入金額が1円未満の会社
    常時使用する従業員数が1人未満の会社 等
○担保要件
  1. 納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提出する必要あり
3.贈与税が免除されるケース
 納税猶予されている贈与税が免除されるケースとしては、例えば次のようなものが考えられます。
  1. 先代経営者等(贈与者)が死亡した場合
  2. 後継者(受贈者)が死亡した場合


 上記の通り、贈与について特例措置の適用を受ける場合には、様々な要件を満たす必要があります。これまで業績が伸びて純資産が増加している会社は、株価が高くなることにより多額の税負担が生じ、事業承継が困難でしたが、特例措置の適用を受けることができる一定の要件を満たしている場合は、税金の負担を生じさせずに後継者へ事業を承継することができます。

 なお、適用を受けるためには、上記の要件以外の細かな要件を満たす必要や、一定の事務手続きが生じます。また、将来におけるリスクも踏まえ慎重な検討が求められるため、検討の際には当事務所へご相談ください。


<参考文献>
 国税庁HP、中小企業庁HP、措法第70条の7、70条7の2、70条7の3、70条7の4


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    東海税理士会豊橋支部所属
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    MFクラウド公認メンバー
    freee 認定アドバイザー
    豊橋青色申告会 記帳指導担当

    
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