家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2021/09/20


 相続した建物が未登記のようです。そのままにしておくことで問題はありますか?




 相続した実家の建物が登記されていないことが分かりました。建物が登記されていない理由は何が考えられるのでしょうか。また、そのまま登記しない場合、何か問題はありますか?




 建物の未登記の要因としては、“登記は任意である”と誤った認識をお持ちであった、という可能性が考えられます。また、未登記の状態であると、法律上の問題の他、第三者への対抗などでデメリットが生じると考えます。




1.建物の未登記

 建物を建築等した場合には、主に以下@→Aの順に登記を行います。

@建物表題登記:建物の構造・床面積等の物理的状況を明らかにする登記
A所有権保存登記:所有権の登記のない不動産について、最初に行う所有権の登記

 @は、不動産登記法により、その建物の所有権を取得してから1ヶ月以内に登記を行わなければならないと定められており、登記を行う必要があります。
 他方、Aは、@のように義務ではなく任意となりますが、住宅ローンを利用する場合は、金融機関が当該建物に抵当権を設定するため、Aの登記が必須となります。

 したがって、建物が未登記の理由の一つとしては、住宅ローンを利用せず建物を建築したため、Aの登記が任意となり、@の登記も行う必要がないといった誤った認識のもと、未登記の状態になっていることが考えられます。実際、未登記建物は数多く存在します。

 なお、登記されていない建物は、「未登記建物」といわれています。

2.未登記建物であることでの問題点
(1)法律上の問題

 未登記建物であることの問題については、法律上の義務である上記1.@の建物表題登記がなされていない、厳密にいえば罰則が科せられる可能性がある状態であることとなります。
 また、相続による所有権の移転登記や住所変更登記に関しては、法律で義務付けられる改正がなされています。その点もあわせてご注意ください。

(2)第三者への対抗

 未登記建物であると、その建物の所有について第三者へ主張することが困難です。

(3)税務上の問題

 建物が未登記であるということは、その建物が建っている敷地部分に建物がない状態で固定資産税が課税されている可能性が考えられます。
 通常、土地の上に住宅が建っている場合の当該土地に係る固定資産税は、更地である状態よりも軽減措置が設けられています。

3.未登記建物の登記手続き

 相続した未登記建物を第三者へ売却する際、上記1.@及びAの登記が必須となります。将来の売却を予定されている場合は、予め登記しておくとよいでしょう。なお、上記1.@には、登録免許税は課税されませんが、上記1.Aの登記には課税(固定資産税評価額の4%)されますので、ご注意ください。

 また、この登記手続きは、通常、土地家屋調査士もしくは司法書士(以下、専門家)に依頼しますが、ご自身で行うことも可能です。なお、専門家に依頼される場合は、建築当時等の設計図面があれば、費用を軽減できる可能性がありますので、設計図面の有無について、事前に確認されるとよいでしょう。

 建物全体が未登記であることの他、増築や改築部分が登記されていないこともあります。建物が登記されている場合でも、建築当時の設計図面があれば、現状と比較し、増築や改築による未登記部分が生じていないか確認されるとよいでしょう。

 未登記建物を相続された場合は、専門家に相談の上、適切に対処されることをお勧めします。
 相続に関するご相談は、お気軽に当事務所へお問合せください。


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