家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2019/12/20


 借りている土地の上に建っている自宅を相続しましたが、貸主から承諾が必要ですか。




 借りている土地の上に建っている自宅を、父から相続しました。自宅の相続にあたり、何か貸主から承諾が必要なのでしょうか。




 相続について貸主からの承諾は不要ですが、借地権を所有していることを明示しておくと、第三者へ借地権を主張することができます。




 建物の所有を目的として、他の方から土地を借りて利用する権利のことを借地権といいます(土地賃借権といわれることもあります)。今回のご相談の場合、お父様は、自宅と借地権を所有しており、ご相談者が自宅を相続されたことにより、この借地権も相続したことになります。

1.貸主からの承諾

 ご質問の貸主からの承諾については必要ありませんが、貸主に「土地の借地権を相続した」旨の通知をした上で、できれば賃借人が変わったことを確認する書面を取り交わした方がよいでしょう。

 貸主との関係はこれで問題ありませんが、「第三者」との関係においてはその借地権の所有について明示しておく必要があります。

2.借地権の所有を明示

 例えば、その土地の売買があった場合で、その土地を購入した他の方(第三者)が、その土地の明け渡しを求めてきたとしましょう。そのときに、借地権の所有を明示していれば第三者へ借地権を主張することができますが、明示していなければ主張することはできません。

 借地権を明示する方法として、「借地権の登記」があります。
 「借地権の登記」は貸主の承諾が必要です。貸主の承諾が得られれば、「借地権の登記」を行いましょう。登記をすることで、土地の登記簿謄本に、「借地権の登記」が記載されます。

 ただし、一般的には貸主から承諾をいただけることは少なく、「借地権の登記」は現実的とはいえません。

 これに代わる借地権の明示として、「借地上の建物の所有権登記」があります。借地上の建物を所有していることを登記することで、借地権があることを第三者へ主張することができます。


 いずれの方法においても、登記をすること自体、義務ではありません。しかし、先述したように、第三者への対抗要件を具備しておくという意味においては、ご相談の場合は、相続による借地権もしくは建物の所有権移転登記は行った方がよいでしょう。

 なお、借地権を相続するにあたり、その建物に居住している必要はありません。あくまで「建物所有を目的とした土地の借地権」なので、相続することで建物を所有することになり、一緒に借地権も相続します。

 相続に関するご相談は、当事務所までお問い合わせください。


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