お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2017/09/05


 日本の居住者が相続した国外財産に、その財産所在地国の相続税が課せられていた場合には、外国税額控除の適用があります。




 先日、姉が亡くなりました。姉(国籍:日本)は外国人と結婚し、30年前から外国に住んでいました。姉の夫はすでに亡くなっており、また、子供もいなかったので、私(日本:名古屋在住)と弟(日本:東京在住)が相続人となりました。姉は、外国に不動産と預貯金を所有しており、現地の弁護士に手続きをしてもらい、私と弟が3,000万円ずつ相続しました。その際に、現地の相続税を150万円支払っているようです。この場合、日本での相続税の取扱いはどのようになるのでしょうか?




 日本に住所がある日本人の場合、被相続人の住所地に関係なく、相続により取得した財産のうち非課税となるもの以外は日本で相続税がかかります。ただし、相続税が課された相続財産のうち国外財産について現地で相続税が課されている場合には、当該相続税相当額を日本の相続税額から差し引くことができます。




 日本の相続税・贈与税については、相続税・贈与税のかかる人(納税義務者)と相続税・贈与税のかかる財産の範囲は、以下のようになります。

  1. ※1 出入国管理及び難民認定法別表第1の在留資格の者で、過去15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者
  2. ※2 日本国籍のない者で、過去15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者

<財務省HPより>


 被相続人であるお姉さまは、死亡時及びその10年以内にも国内に住所はありませんが、相続人であるあなたも弟さまも日本国内に住所があります。上記の図では最下段の黄色い部分に該当します。よって、お姉さまから相続した財産については、その財産の所在を問わず、すべての財産に対して相続税が課税されることとなります。
 しかし、国外の財産を相続した場合には、同一の財産に対して、外国と日本の両国で相続税が二重に課税されることのないように、その国外財産に対して外国で課税された相続税に相当する税額を日本の相続税額から控除できる「外国税額控除」という制度が設けられています。

外国税額控除の適用要件:以下すべての要件に該当すること

  1. 相続または遺贈により財産を相続したこと
  2. その相続した財産は、国外に所在するものであること
  3. その相続した国外財産について、その財産の所在地国の相続税に相当する税が課税されたこと
外国税額控除額:適用対象者における以下1.と2.のいずれか小さい額
  1. 国外で納付した相続税に相当する税額
  2. 相続税額×在外財産の額/相続人の相続財産の額

 ご質問の場合で相続税を計算してみますと、お姉さまの遺産は6,000万円、相続人は2人ですから、日本の相続税は2人合わせて216万円(2割加算後)となります。お姉さまの財産はすべて国外財産であり、かつ、すでに外国で150万円の相続税が課税されていますので、差し引き日本で納税すべき相続税は66万円となります。
 
 最後に、相続税の申告書の提出先ですが、被相続人が国内に住所がなかった場合には、相続人の住所地を所轄する税務署となります。名古屋、東京それぞれの税務署へ別々に申告書を提出することとなりますので、ご注意ください。


<まとめ>

  • 相続人が日本に居住している場合には、被相続人が外国に居住していた場合でも、相続したすべての財産に対して相続税が課税されます。(*短期滞在の外国人を除く。)
  • 相続した国外財産に外国で相続税に相当する税が課税された場合には、日本の相続税額からその一定額を控除することができます。
  • 被相続人が外国に居住していた場合には、相続税の申告書の提出先は、相続人の納税地
    を所轄する税務署となります。

<参考条文> 相続税法第1条の3、第20条の2、第62条


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    東海税理士会豊橋支部所属
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